1960年代に制作された教育映画「Powers of Ten（10の冪乗）」に描かれた世界に私のモ チーフとする世界があります。
「Powers of Ten」は、世界を10の累乗という枠で切り取り、流 れていきます。縦・横が1mに区切られた正方形の世界は毎10秒ごとに10m×10m、100m×100mと拡大していきながら宇宙の果てへと行き着く。そこから先、世界は逆転しミクロの世界に入っていきます。 この拡大と縮小を繰り返す中で見える景色、宇宙をも俯瞰した先に広がるミクロ、陽子、中性子の世界を人間の社会生活と重ね合わせて私は描いています。